表面洗浄のためのイオンミリング
前提
- SPring-8 BL25SU
- v250611
目的
表面スパッタによる酸化物/表面キャップの除去
手順
1. サンプル移動
- LL室(E-6)、prep室(E-6前半)の真空度であることを確認
- LL/prep間のゲートバルブを開ける
- サンプルをLL室からprep室へ移動
- ミリング用ステージの回すやつから紐を外す
- リトラクト位置から交換位置へ移動(0のメモリが黒いラインの下からさらに1.5メモリ下程度)
- サンプルを挿入し、離す(10回転)
- サンプルロッドはデフォルト位置に戻す
- 180度から135度に回転する(xy軸は調整不要)
2. イオンミリングの準備
- イオンポンプを全閉する(超大事!)
- ターボの開口部を全閉して半回転開ける
- Arガスの動線の緑バルブを3つ空ける(緩くなる程度)
- Prepの真空度を見ながらニードルバルブをゆっくり開ける(急に開けすぎないように注意)
- 1e-3にAr圧を調整(手前のメモリが22くらい、トータル3周弱回す)
- 安定するまで待つ(数分程度)
- スパッタ電源をスタンバイからオペレート(上)に回す
- エネルギーを2keVに設定(最大3keV)
- 銃口がオレンジ色に発色してるか確認(サンプルへの照射部分を確認)
- 所望の時間まで待機
3. ミリングの停止
- ミリングが終わったらエネルギーをゼロにし、スタンバイに合わせる
- ニードルバルブを閉じる(回す向きを間違えないように、始めはゆっくりまわす)
- 緑バルブ(ニードルバルブに近いバルブ)をひとつ閉める(最後のミリング時は3つとも閉める)
- ターボを全開にする
- 5E-6の前半まで待機
- イオンポンプを全開する(真空度の確認忘れない!)
- 135から180度に戻す(厳密には179度くらい)
- サンプル掴んで十分ロッドを下げる
- リトラクト位置までステージを上げて紐で固定
- 5e-6よりprepが下がるのを待機
- メインを開けてサンプル導入
実際の実例
- FeN(キャップ無し)の表面酸化:2keVx4h + 3keVx4h(20250130)
- FeGeTe(キャップ無し)の表面酸化:(20250619)
- FePtErのCキャップ5nm:2keVx2h(20250616)
注意点
- イオンの照射範囲が限定的
- 右半分程度はスパッタされるが、左半分は全然スパッタされない